深海底実施協定
会議設定
議題:国連海洋法条約第11部実施協定(AGREEMENT RELATING TO THE IMPLEMENTATION OF PART XI OF THE UNITED NATIONS CONVENTION ON THE LAW OF THE SEA)
議場:事務総長主催非公式協議
史実決議:A/RES/48/263
設定日時:1993年8月
使用言語:日本語(決議動詞英語併記)
会議参加国数(予定):25か国
募集人数(予定):15〜30人
フロント
会議監督:吉田順貴(神戸研究会・神戸大学文学部人文学科・4年・神メン)
議長:田口蒼依(日吉研究会・慶應義塾大学商学部商学科・4年・神メン)
秘書官:山本峻佑(早稲田研究会・早稲田大学社会科学部・4年・神メン)
秘書官:中田諒(国立研究会・国際基督教大学教養学部・4年・神メン)
参加者へのメッセージ
こんにちは。会議監督を務めます、吉田順貴と申します。突然ですが皆さん、模擬国連について成長してますか?半年前を思い出してみてください。新メンの方はもしかしたらまだ模擬国連を知らなかった時期かもしれませんが、今振り返って「あの時の会議行動、模擬国連の捉え方は未熟だった」と感じられるなら、きっとそれは成長なのだと思います。
しかし、我々は本当に成長がしたいのか?この会議はそんな疑問から出発しました。やや恣意的なまとめ方ですが、最近の会議は「うまくなるために必要なこと」を参加者に提示し、実践させる形のものが多いように思います。これに対する個人的な意見として、我々は成長をしたいから模擬国連をするのではない。成長のその先にあるはずの、とても面白い瞬間、それを味わいたいから成長を求めるのだと思うのです。即ち、成長が声高に叫ばれる今の模擬国連では手段が目的化しており、焦点がブレているのではないか?と思いました。
こうした疑問に対する一つのアンサーとして、この会議では、模擬国連でしか味わえないような最高の面白さに純粋に向き合っていきたいと考えています。
とまあ、偉そうなことを滔々と述べてきましたが、「最高の面白さ」についてフロント自身も絶対的な唯一解を持っているわけではありません。即ち、この会議は、フロントが考えた仮説をデリの皆様と共に検証していく大実験会議といえます(神メンにもなって全国大会に実験会議を持ち込むのはやや責任感に欠けるかもしれませんが、ご容赦ください)。フロントは、時にはデリの皆様に対して上から教える立場に立ち、時には下から支える立場にもなりますが、基本的には横に並んで同じ目標に向かって進んでいきます。後述するコンセプトを少しでも面白いと感じ、フロントと共に並走する気になってくれた方々、アプライお待ちしてます!!!!よろしくお願いします!!!!
最後にはなりますが、この会議を作るにあたって協力を快諾してくれたフロントの皆様、全国大会という場を用意してくださった事務局及びその関係者の方々、自身の模擬国連人生を支えてくださった全ての人に、この場を借りて感謝申し上げます。
会議コンセプト
Structured Chaos
“Structured Chaos”とは、Structure(構造・論理・秩序)とChaos(直感・混沌)という一見相反する2つの概念の間の領域を指し、これこそがフロントが考える「模擬国連の最高の面白さ」です。
詳しい説明に移りましょう。模擬国連では、論理性は非常に重要です。「目的意識を持ったリサーチや会議行動」といった言葉は聞くことが多いと思いますが、国益を達成する上で緻密で論理的な会議戦略を組み立てる重要性は、私が説明するまでもないでしょう。しかし、模擬国連では全てが想定通りに進むことなど殆どありません。想定外のことには自身の会議戦略と照らし合わせて対応していく必要があり、それがうまくできた時は楽しさを感じるでしょう。換言すれば、他者という「わからないこと」を自身の論理に基づいて「わかること」に変換していく営みこそが模擬国連の面白さだと私は考えています。
しかし、私の過去の会議経験から、模擬国連の一番面白い瞬間は「わからないこと」が「ギリギリわからないこと」になる時だと思います。議論や交渉が白熱するにつれて、自分自身の論理では対応しきれない瞬間があり、そうした時に活きるのが直感です。ただし、この直感とは単なる思い付きではなく、自身が組み立てた論理の基盤にあり、また延長線上にあるものです。緻密な論理と、そこから生み出される直感を組み合わせて、頭をフルに回転させてようやく行動に移せる、そうした瞬間が「模擬国連の最高の面白さ」であると考え、これを”Structured Chaos”としました。
この言葉は、我々が実現したい会議の目標です。同時に、デリの皆さんには”Structured Chaos”を実現するんだ!という心構えで会議の準備や当日の行動に取り組んでほしいという想いを込めて、コンセプトをこの言葉にしました。
議題解説
この会議は、1994年に採択された国連海洋法条約第11部実施協定(通称、深海底制度実施協定)について扱います。1982年に採択された国連海洋法条約の第11部「深海底」とその附属書を実質的に修正した内容となっています。
国連海洋法条約によって海には「領海」、「公海」などと様々な地位が与えられており、締約国には管轄権が認められています。「深海底」もまた条約で定義が定められており、これは延長された大陸棚を除く公海の下にあるすべての海底を指します。しかし、国連海洋法条約第11部で定められた「深海底」の規定にはいくつかの問題が残されており、それを解決する会議です。
少し歴史を遡ると、実は海底には様々な資源が眠っているとされており、レアメタルなどをはじめとした鉱物資源や化石燃料などが多く含まれることが1960年には明らかになってきていました。資源の独占を恐れた途上国は、1970年に「深海底原則宣言」の採択を主導し、「人類共同財産の原則」を国際社会に提示しました。一方で先進国は、深海底が「人類の共同財産」であることには同意するものの、1973年から82年まで開かれた第三次国連海洋法会議ではその具体的な開発方式を巡って途上国との対立が生じました。結果、漁業や海洋汚染など海洋に関して幅広い問題を扱い、「海の憲法」と呼ばれるに至る国連海洋法条約が1982年に採択されたものの、深海底の規定については合意に至らず、条約の発効が遅れる主たる原因でもありました。
その後、冷戦の崩壊など政治的・経済的な状況変化を踏まえて国連事務総長が非公式会合を1990年から主催し、協議が行われ、1994年の協定採択に至ります。
論点解説
①開発方式
国連海洋法条約では深海底開発を国際機構の下で直接的に行うことが想定されていましたが、こうした開発方式が先進国を中心に時代にそぐわないという批判も出ています。そこで、どのような制度設計で深海底開発を行うのが望ましいのかということを話し合っていただきます。
②陸上生産国
深海底から採掘される鉱物資源が市場に出回ると、同種の資源を陸上で産出している国の利益が損なわれることが想定されます。こうした陸上生産国に対して、海洋法条約では補償制度を設けることが定められましたが、時代の変化と共にこの制度に対しても批判が生まれ、この点を調整することも今回の論点の一つになります。
③意思決定方式
国際機構の理事会は海洋法条約においては、基本的に多数決が取り入れられていました。これに対してアメリカを中心とする先進国は実質的な拒否権の制度の導入を要求し、またいくつかの地域グループは自グループの議席の確保を要求しています。
国割
基本的にシングル。
ただし、ペア希望を妨げるものではなく、またアプライ者が多い場合にはシングル希望でもフロントがペアにする可能性があります。
Algeria, Australia, Brazil, Canada, Chile, China, Cuba, Egypt, Fiji,France, Germany, India, Indonesia, Italy, Japan, Jamaica, Mexico, New Zealand, Russian Federation, Tanzania, Ukraine, United kingdom, United States of America, Zambia (変更する可能性あり)
会議の特徴
この会議の最大の特徴は、冒頭の挨拶でも述べた通り、一つの具体的な目標に向かってデリ・フロントが突き進む点です。個人の模擬国連における課題意識や目標像は違って当然ですが、この会議ではフロントからそうした点にアプローチすることはありません。ただし、個人レベルでのロードマップを軽視しているわけではなく、フロントが描くこの会議のロードマップと自身のロードマップをうまく融合させる意識を持って会議に臨んでいただけたらよいと思っております。
逆に、”Structured Chaos”に至るためのロードマップについては明確にこちらから提示する形となるため、「何をしていいかわからない」「方向性がずれていた」というようなケースは少ないかと思います。国益設定や戦略策定のやり方に悩む人が多い中で、それらの論理を緻密に作り上げた上でさらにその先の領域に至ることを要求している会議ではありますが、メン齢問わずそうした領域に入れるようなシステムを構築している(はず)なので、その点はご安心ください。会議自体もコンセンサス採択で比較的オーソドックスな形であり、突飛なシステムに惑わされるといったことは少ないかと思います。
対象とする参加者
コンセプトを面白い・やってみたいと思った方ならば、誰でも大歓迎です。
極論を言うと、会議経験50回以上の超神メンが20人集まれば”Structured Chaos”は実現しやすいのかもしれませんが、もしそんなことになったらフロントが頑張る余地がなさそうであんまり面白くなさそうですし、メン齢・経験・フロントと知り合いかどうかなど問わず、本当にコンセプトを面白いと思ったらぜひぜひアプライしてくださると嬉しいです。
新メンで特に会議経験があまり無い方は、プロシージャなどで会議についていけなくなると面白くないと思うので、細かなプロシージャを使う予定は現在ありませんが、基本的な会議の進行に自信の無い方は少し座学で勉強しておくと、より会議を楽しめると思います。